こんにちは。Hikotaです。2026年のレビューも5試合目。引き続きよろしくお願いいたします。
試合背景
前節のソシエダ戦で10試合ぶりにリーグでの勝ち点を落としたバルセロナは1ヶ月以上ぶりのホームゲームとなります。12月中旬から中立地やアウェイでのゲームが続いており、本当に久しぶりにカンプノウに帰還します。
昇格組のオビエドは2勝7分11敗の成績で最下位に沈んでいます。最後の勝利は10月のバレンシア戦で、00-01シーズン以来のプリメーラの舞台で苦しんでいるようです。残留圏の17位との勝ち点差は8に広がっています。既に2度の監督交代を経ており、そろそろ浮上の兆しが欲しいところでしょう。
オビエドのホームでの前回対戦は3-1でバルセロナが勝利しています。ジョアン・ガルシアのミスで前半に先制点を献上するも、エリック、レバンドフスキ、アラウホのゴールで後半に逆転したゲームでした。
スタメン

バルセロナ
CLのスラヴィア・プラハ戦から5名の先発メンバー変更。クバルシ、カンセロ、カサド、ヤマル、オルモが先発を飾ります。カンセロは再加入して初めての先発。カサドのリーグ戦での先発は11/30のアラベス戦以来となりました。先発が続いていたクンデ、バルデに休養を与えたのがトピックとなります。
欠場者はクリステンセン、ガビ、ペドリ、フェラン。尚、ドロ・フェルナンデスのPSGへの完全移籍は決定的となっています。
オビエド
先週のオサスナ戦からは2名の先発変更。CBと左SBが変更になりました。CBはルエンゴ→カルモ、左SBはアルハッサン→ハビ・ロペスの変更です。
主な欠場者はバイリー、アルハッサン、エジャリア。特に前回対戦で獅子奮迅の働きを見せたCBバイリーの欠場は両チームにとって大きなインパクトを与えるのではないでしょうか。
試合展開
前半
スラヴィア・プラハ戦と同じく、前半45分間は対戦相手の勇敢さに大いに苦しめられたバルサ。
オビエドは前回対戦と同じく自陣に引きこもるのではなく、積極果敢に前線から人を掴まえるハイプレスでバルセロナからリズムを奪います。バルサの中盤3枚に対しては、それぞれ中盤の選手たちがマークを担当し、時間を与えないように細心の注意を払います。マーク担当を曖昧にしているのはバルサの左CBと左SBの部分で、ここは右WGのハッサンがぼかしながら見る設計になっていました。ただしスラヴィアほどマンツー意識が強いわけではなく、あくまでもゾーンベースで受け渡しをしていました。

ボールホルダーに対しての圧力が厳しく、ファウルで止めることも辞さないオビエドの姿勢にバルサは大いに苦しみ、綺麗に前進することが叶いません。オビエドは4バックなので、対角線のロングボールは有効打になっていましたが、素早いオビエドの帰陣を前になかなかフィニッシュまで至りません。バルサは最初のシュートを放つまで26分も待つ必要がありました。
今季のバルサに対しては「引く」のではなく、「中盤3枚にガッツリ蓋をする」が有効なのは周知の事実ですが、当然相手にとってもリスクのある選択にはなります。オビエドは失うものがないとばかりに徹底したプレスをかけてきたので、ある程度次のCLに照準を合わせたいバルサとしては面食らった形になります。
中盤へのマンツーマンプレスへの打開策の1つがソシエダ戦で披露した4人のMF同時起用になる訳ですが、この試合の左WGはラフィーニャ。落ちて関わる動きが苦手なわけではありませんが、オルモやフェルミンほどミドルゾーンで味方と繋がるプレーを得意としているわけでもありません。ペドリがいないこともあり、選手間の距離感が悪く、イージーなミスでリズムが崩れる悪循環に陥ってしまいました。
個人的には、こういうゲームではヤマルを中央でプレーさせて中盤で数的優位を作りたいなと思いますが、あまりそれは優先度の高いオプションではないのかもしれませんね。カンセロが入って幅取れる選手も増えたので、試す価値はあると思いますが…。

守備でいいリズムを作ったオビエドの攻撃の生命線は両WGのクオリティ。右WGのハッサンは単騎でのボールキャリーが魅力で、バルサの選手を次々に剥がして行きます。反対サイドのチャイラは内側で時間を作ることでSBの攻め上がりを促すタイプ。
彼らがエリア外からミドルシュートを狙うことで、ジョアン・ガルシアが守るゴールを脅かします。しかし、裏を返せば彼らの個人技以上の脅威はなく、オビエドが前半で放った6本のシュートは期待値が高いものではありませんでした。
良い戦いはしたものの、このあたりのクオリティが足らないのは切ないところですね。バルサも前半の終盤になってようやく攻撃の形が出てきましたが、得点には至らず。
0-0でハーフタイムを迎えることになります。
後半
後半開始から動いたのはバルセロナの方でした。ハッサンを倒してイエローを受けていたマルティンを下げてクンデを投入。クンデはいつも通り右SBに入り、エリックが左CBにスライドします。

このバルサの変更は2つの効果を生みます。
1つ目はヤマルへのサポート体制の強化。前半はやや孤立気味で、ボールロストの多かったヤマルのサポートタスクは、コンビを組む時間の長いクンデに一日の長があります。前半に比べると明らかにコンビネーションでの崩しの試行回数が増えました。クンデが前に出ていくことで左WGのチャイラが下がらざるを得なくなったのも大きかったように思います。
もう1つはオビエドのプレッシングの無効化。先述した通り、オビエドのプレスはバルサ側の左CBと左SBのラインを右WGのハッサンが何となくぼかしながらケアすることで成立していました。しかし、左CBにビルドアップ性能に優れるエリックが入ったことで対応が難しくなりました。
エリックをフリーにすると運ばれたり蹴られたりで、オビエドとしてはあまり都合がよくないので、前半に比べるとハッサン(RWG)→エリック(LCB)、アヒヤド(RSB)→カンセロ(LSB)の色は強くなったように感じました。
しかし、エリックはシンプルなコントロール&パスの質が高く、マルティンよりも精度高くプレスを外すので、オビエドからすると前半ほど意図通りに前線からボールを奪えなくなりました。アヒヤドがボールを奪いに行った背後を使われるのも苦しい要因の1つだったかと思います。
選手交代による修正以外に、ハーフタイムを経て変化が見られたのはプレッシングの部分で、前半よりも強度高くプレッシャーをかけるシーンが目立ちました。これはシンプルにフリックからハーフタイムで喝を入れられたのではないでしょうか。
結果的にこのプレッシングへの姿勢がゴールを生むことになります。
1点目は52分に生まれます。オビエドの自陣ビルドアップの局面。左SBのロペスから、エリア内の左CBのカルモへバックパスが出ると、ヤマルが外切りで猛然とプレスをかけます。カルモのロングフィードを遮断すると、エリア内に浮き上がったボールをラフィーニャが頭で触り、ヤマルの足下へ。ヤマルは囲まれながらも右後方のオルモヘボールを逃し、オルモが右足のグラウンダーシュートをファーサイドへ沈めます。
更に57分に追加点。オビエドがバルサ陣内の浅い位置でフリーキックを獲得するとショートで再開し、自陣の右CBコスタスまでボールを回します。ここでラフィーニャが猛然とコスタスにプレス。慌ててGKへのバックパスを選択しますが、これが短くラフィーニャが掻っ攫います。ラフィーニャはGKとの1対1を華麗なループで制し、追加点を奪います。
オビエドのイージーなミスではありますが、CBへの両WGの強度の高いプレッシングというフリック戦術の肝の部分で、2点奪えたことは大きかったですね。
バルサは2点目を奪った直後にカンセロとラフィーニャを下げてフェルミンとバルデを投入。ラフィーニャのプレータイムを制限するとともに、次のCLのゲームに向けてレギュラー組のフェルミンとバルデのチューニングを実施します。
73分にはダメ押しの3点目。相手のGKのミスキックを拾うと、エリア手前左でボールを受けたオルモが左足クロス。やや後方に流れたボールをヤマルがジャンピングボレーで合わせるゴラッソを決めて勝負有り。
3点目以降はオルモとヤマルを下げ、休養を与える余裕も見せます。終盤は雹が降り込む厳しいコンディションとともに試合内容も冷え込みますが、オビエドの得点は許さずシャットアウト。
このまま試合はタイムアップを迎え、バルサが苦しみながらも3-0で勝利しました。
雑感
ホームで苦しみながらも勝ち点3を手にしました。ペドリの不在のインパクトはやはり大きく、前半は大いに苦しみましたが、後半の修正は良かったと思います。マドリーが何だかんだで勝ち点を積み上げてきているので、リーグ戦は緊迫した試合が続きそうですね。
直近の対戦相手であるソシエダ、スラヴィア・プラハと同じく、オビエドもまた高い位置からバルサのビルドアップを封殺しにかかってきましたね。この策自体は有効だったものの、やはり高強度のハイプレスを90分維持するのは難しいので、非保持のメリハリをちゃんとつけることと、保持で時間を作ること、早めにスコアを動かせるフィニッシュの質は当然セットで求められてくるのだと思います。
オビエドはデータ上では今季5バックを採用したのは1試合しかなく、前から人を掴まえていくスタイルは彼らの哲学の1つなのだろうなと思いますが、バルサから勝ち点をもぎ取るにはもう一歩のクオリティが足らなかったように感じました。残留に向けて厳しい戦いが続きますが、浮上のきっかけが掴めると良いですね。
バルサ側ではやはりエリック・ガルシアの存在感が大きいですね。右ラテラルでのヤマルとの関係性は流石にクンデの方が上手ですが、CBに移ってからはそのクオリティでオビエドのプレッシングを大いに混乱させました。今季稼働率が高いので疲労は心配ではあります。彼の離脱は複数ポジションに影響を与えかねないのでどこかで休ませたいところではあります。
久々にリーグ戦で先発したカサドにも触れておきましょう。この日のカサドはキックのフィーリングが良く、長いレンジのロングパスやクロスでチャンスを作りかけるなどの積極性は見せました。一方で自陣でのプレーの正確性にやや欠けるのがマイナスポイントでしょうか。ペドリやフレンキーとこの点で比べるのは酷ですが、フィジカルスペックで勝負できない分、オンザボールでの精度にはもう少しこだわらないと、バルサのピボーテとしては先がないと感じてしまいました。
さて、リーグ戦での連敗を避けたバルサはミッドウィークに、CL決勝トーナメントへのストレートインをかけたコペンハーゲンとの一戦に臨みます。「できるだけ大差での勝利」が必須条件になるこのゲームは周知の通り、ペドリとフレンキー不在となります。厳しい条件になりますが、このチームの底力を見せてもらいましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。