こんにちは!お久しぶりです。長かったインターナショナルウィークも終わり、リーガが戻ってきました。この代表戦の期間にいくつか記事を上げようかとも思いましたが、あっという間にリーグ戦が再開してしまったので、またの機会に書きます笑。
バルサは20-21シーズンのリーグ戦を既に3試合消化。2勝1分、8得点1失点とまずまずの滑り出しを見せました。前節はセビージャと対戦。EL王者との決戦は1-1の引き分けに終わりました。
今節はヘタフェと対戦するバルサ。ヘタフェはここまで2勝1分1敗の成績。5シーズン目を迎えたボルダラス監督の色んな意味でのアグレッシブなサッカーは健在です。今夏はエネス・ウナル、クチョ・エルナンデスとリーガで活躍したアタッカーを獲得。昨季逃した欧州カップ戦の出場権の奪還に挑みます。
バルサは昨季ヘタフェに対して2勝。2試合とも簡単なゲームではありませんでしたが、ヘタフェとは戦績もいいので、次節クラシコに向けて良いゲームを期待したいところです。
スタメン
ホームのヘタフェはお馴染みの4-4-2。新加入のクチョがスタメン入り。中盤から後ろは昨季からのお馴染みのメンバーがベースですね。左サイドハーフのククレジャはバルサのカンテラーノです。
一方のバルサ。アンス、コウチーニョをベンチに置き、デンベレとペドリがスタメンに抜擢されます。レギュラーのジョルディ・アルバが負傷中の左SBには本職が右サイドの新加入セルジーニョ・デストが起用されます。本来左サイドのバックアッパーであるジュニオルも軽い負傷を負ったようです。
両チーム陣形・噛み合わせ
バルサボール保持時
まずはバルサのボール保持時を見ていきましょう。
ヘタフェはいつも通り前線からしっかりと圧力をかけてきました。4-4-2の3ラインでコンパクトネスを維持しながら、前線からバルサのビルドアップに限定をかけていきます。前から絶対に奪うというよりは「中盤に誘い込んで奪う」のニュアンスが強いプレスのかけ方だったと思います。
注目すべきはアランバリとマクシモビッチの2ボランチ。基本的にマクシモビッチが前でフレンキ―やブスケツを潰しにかかり、アランバリが後方でバランスを取るのが原則。バルサの中盤は3枚で数的不利ではあるのですが、それを物ともしない運動量とトランジションの速さは圧巻でした。
特にライン間にボールを入れられた時のプレスバックの迅速さは特筆に値します。例えば、バルサが上手くブスケツやフレンキ―の位置までこの2ボランチを引っ張りだし、ライン間のスペースを使えたとしてもすぐさま囲い込まれてしまいます。コンパクトな陣形がなせる業ではあるのですが、2人の貢献はすさまじいものがあります。
そんなこんなでなかなか中央のスペースに活路を見出せないバルサ。この試合のトピックの1つとして芝の長さが挙げられます。これはバルサ対策としてしばしば用いられる「作戦」ですが、芝を長くして水を蒔かないことでボールの転がりを悪くして、バルサのパスワークを封じてしまおうという意図によるものです。
これはもうバルサにとって宿命みたいな状況なのですが、おかげでショートパスが効果的に繋がらず、テンポがあがりません。上手くいきそうな場面でもヘタフェは容赦なくファウルで止めに来るチームなので、プレーの連続性はなかなかできないのが辛いところです。
ヘタフェは上図のようにラインを高く上げることで中盤での密集度を上げていました。となると、やはり空いてくるのは裏のスペース。ボールが転がらない状況でもありますし、積極的にこのスペースは活用していきたいところ。裏を突いてラインを下げさせれば、スペースは空いてきます。
しかしこの試合はこの裏のスペースを突く達人であるジョルディ・アルバが欠場。代わりに入ったデストはボールを持った時の動きこそ悪くなかったものの、合流したばかりなのでオフ・ザ・ボールの動きはまだまだ。今日のアタッカー4人は全員足元でボールを受けたがる傾向が強いので、必然的に攻撃は手詰まりに。
単発的にグリーズマンやメッシが裏を狙うケースはあったものの、連動感は乏しく、裏でボールを受けることだけが目的化してしまっているランニングでしかありませんでした。
アルバがいれば!というのはもちろんそうなのですが、逆にアルバがいないと裏のスペースを使えないチームっていうのもどうなのかなと。ここは本当にここ数年アルバに依存し切っている部分でもあるので、そろそろ改善して欲しいところです。
相手のボルダラス監督からすると、4-4-2の天敵であるアルバアタックがなかったため、ラインを上げるのはそれほど怖くはなかったのだと思います。術中に嵌まってしまった感はありますね。
ボルダラス監督は昨季ミスを犯しました。昨季の後半戦、SB(アルバ、セルジ・ロベルト)の上がりを警戒しすぎて両サイドハーフの位置を低くしすぎてしまい、結果として6バックのような形になり、中盤にできたスペースをバルサに利用されたという経緯があったのです。同じ轍は踏みませんでしたね。
バルサボール非保持時
続いてバルサボール非保持時。といってもヘタフェはボールポゼッションに拘りがあるチームではないので、結構シンプルに長いボールを使ってきます。その際にターゲットとなるのは長身のハイメ・マタか右サイドのニョム。特にこの試合ではデストが不慣れな左SBで先発ということもあって、ニョム対デストのマッチアップを狙っていこうという意図は感じられました。
大事には至らなかったので、デストの対応も悪くはなかったと思いますが、フィジカルが強く粗々しいニョムにデストはだいぶ手を焼いていました。左サイドでコンビを組んだデンベレもあまり積極的に戻ってきてくれませんでしたし笑。アンスは結構守備頑張るんですけど、デンベレは本当に最低限・自分のエリアって感じですね。
彼とハイメ・マタへのロングボールのこぼれ球を拾って二次攻撃をするのがヘタフェの基本線。あとはクロスボールでチャンスを作るか、セットプレーに活路を見出します。ボルダラス監督はかなりセットプレーに凝っていて様々なパターンでゴールを狙ってきました。空中戦に強い選手が多いですし、彼らのセットプレーは大きな武器ですね。
バルササイドとして懸念事項だったのはメッシ右サイド。PSM2戦目、3戦目、および開幕3試合と5試合連続でセンターフォワードとして先発していただけにこの采配は驚きでした。幸いなことに(?)、ヘタフェの左SBオリベラがそこまでオーバーラップしてこなかったので、メッシの守備の部分が浮き彫りになるシーンはそこまで多くはなかったと思います。
しかし、下がらなけらばならない時はペドリやグリーズマンがメッシの右サイドを埋めていましたし、正直メッシ右サイド、グリーズマン真ん中のメリットはあまりないような気はします。グリーズマンはセカンドトップが適正なのであって、最前線は正直窮屈なだけだと思いますし、チームとしては右サイドの方が価値があるかと思います。
バルサの守備自体は悪くなかったと思います。今のところ、開幕4試合で流れの中からの失点はゼロですし。ただ、守備陣のクオリティが上がったというより、チーム全体の守備意識が上がった結果なので、今後どうなるかはちょっと不安ですね。
試合雑感
正直かなり観ててキツい試合ではありました。ボールが転がらない、ファウルは多い、ヘタフェの守備は堅いで、かなりストレスは溜まりましたね笑。
選手起用に関して。南米から帰ってきたコウチーニョと最早普通にフル代表でスタメンを飾っているアンスを休ませたのは良い判断だったと思います。17歳ペドリがタイトなヘタフェ戦で先発したのは意外というか凄いリスクのある決断だと思いますが、クーマンがそれだけ彼を買っているということがまたしても証明されましたね。プレーも良かったですし、次に期待ですね。
一方のデンベレ。チャンスをもらったものの、活かすことはできなかったという印象。相変わらず状況判断のミスによるロストが多いですし、何より淡白。この試合で何か変えてやろう!という気概を感じませんでした。本人なりに頑張っているのかもしれませんが、加入して早4年目。払った額を考えてももう擁護できる要素はなくなりつつあります。正直あれくらいのパフォーマンスならコンラッドとか安部見たいです。
とにかく終盤はアタッカーをつぎ込んだクーマンの采配でしたが、どうなんですかね。コウチーニョ入れて、リキ入れて、トリンコン入れてっていうのは気持ちは分かるんですけど、どうやって点を取る?っていうイメージはあまり見えないというか。そこはある程度選手任せなのかもしれないですね。
だとするのであれば、新加入の選手が多い攻撃陣(コウチーニョも含めて)ということを考えると連携が熟成されるまである程度我慢は強いられるかもしれません。即興ベースなら尚更。また、どうしても得点が欲しい時にピケを前線に上げるしか打開策がないのも悩ましいですね。ビダルがちょっと恋しい・・・笑。
そしてメッシ右はこれっきりにして欲しいですね。メリットがそこまで見当たらないので。グリーズマンも最前線に張らせるより、右サイドで頑張らせた方がチームとしては有難いのかなと思いますし。もっとも、前半の決定機を決められないようでは今後先発では使われにくくなるかもしれませんが・・・。
今日の試合ではバルサのシュートは7本。明らかに少ないですよね。セビージャ戦でも相手より少ない12本に終わっています。チームとしてなかなか攻撃が結実しませんね。アグレッシブなプレッシャーをかけてくる相手をどう攻略するかが今後の鍵となってきそうです。
何かのレビューでも書いたと思いますが、もう少し長いボールを有効に使えると良いんですけどね。上背のないアタッカーが多い今の攻撃陣には相手を背負いながらボールを収めて時間を作れる選手がいないのが悩ましいところ。純粋なCFがいない弊害ですね。低弾道で前線の選手の足元にピンポイントでつけられるテア・シュテーゲンの復帰で状況は改善するかもしれませんね。ネトはとてもよくやっていると思いますが。
クラシコ前に勝ち点を落としてしまったのは痛いですが、かなり悪条件の試合ではあったので、仕方のない部分もあると思います。まだ劣勢を跳ね返せるほどの地力は今のバルサにはないわけです。それはセビージャ戦とこのヘタフェ戦でよく分かりました。ビジャレアル戦があまりに鮮烈だっただけで、バルサはどん底から這い上がらなければならないチーム。前半戦は我慢が必要ですね。
さて、次のインターナショナルウィークまでの6試合は上記の通り。中2日や中3日が続く厳しい過密日程となっています。特にクラシコ⇒ユベントス戦の連戦はかなり厳しいところですね。ホームが4試合あるのは有難いですが、キツいことには変わりありません。ローテーションをしながら乗り切って欲しいところですね。特にフル稼働が続くメッシ、ブスケツ、ピケ、フレンキ―、セルジ・ロベルトあたりはどこかで休ませられるといいのですが。
いずれにしても次はCL開幕、そしてクラシコです。楽しみましょう!
(結局CLの放映はどうなるんだ・・笑)
最後までお読みいただきありがとうございます。