Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】19-20 ラ・リーガ第35節 バルセロナ対エスパニョール

こんにちは!前節、好調ビジャレアルに4-1と快勝を収めることに成功したバルサは、今節エスパニョールとのバルセロナダービーに挑みます。依然として優勝は厳しい状況にあるものの、少しでも多くの勝ち点を積み上げ、首位マドリーにプレッシャーをかけていきたいところ。

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エスパニョールは現在最下位。今節勝てなければ問答無用で降格が決まってしまう非常に苦しい状況に追い込まれています。この試合は当然死に物狂いで勝ちに来るでしょう。前回対戦はバルベルデのリーグ戦最後の試合となった19節。2-2の引き分けに終わった試合でした。

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■スタメン

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ホームのバルサは前節からスタメンを1人変更。ビダルがベンチに置かれ、ラキティッチが先発を飾ります。流石にもう一戦も落とせない状況で、ローテーションしている余裕はないのでしょう。残り試合はメンバーを固定して戦うかもしれませんね。

後がないエスパニョールは前節までの4-4-2ではなく、5バックを選択。10番のダルデル、前線の中国代表ウー・レイをベンチに置き、バルサ対策をしっかりと敷いてきた格好でしょうか。前節退場したカジェリは出場停止でこの試合を欠場しています。

 

■前半

試合はいつものごとく、バルサがボールを保持してエスパニョールが構えて守る形になります。

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バルサボール保持時

ご覧の通り5-3-1-1のブロックを築き、バルサに挑んできました。意図はバルサの中央突破を止めること。3CB+3人の中盤でビジャレアル戦でバルサが見せたMSGの連携を遮断しようという意図が見えました。CBにはそれほどプレッシャーをかけず、ブスケツはエンバルバがしっかりと監視します。

中盤3人とエンバルバにはとてつもない負荷がかかってくるわけですが、最終ラインの枚数を削るのは難しかったのでしょうし、こうでもしないと守れない!ってところでしょう。前半はこの4人が良く動き、バルサの中央へのパスルートを完璧に遮断しました。

そうなってくると、中盤3人の脇が空いてくるわけですが、そこ突かれても最後中央を固めていればOK!と割り切っている感じはありました。そのため、CBがボール狩りに参加することはあまりなく、ラインを遵守する傾向が強かったなと思います。おまけにライン設定は深めで裏のスペースもなかなか突けないようになっていました。

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メッシがハーフスペースに落ちる

そのように中央が堅い状況ではメッシが右ハーフスペースに落ちるのが定石のバルサ。メッシがボールを持った時、逆サイドのハーフスペースは空きますが、そこを上手く使うことはできませんでしたね。使えたとしてもエスパニョールのCBは安易に飛び込んでこないので、DFラインになかなかギャップが作れません。

また、メッシが落ちることでスアレスグリーズマンとの距離が遠くなり、リンクしづらい状況にはなっていました。セティエンが就任してから、しばしばメッシが落ちてスアレスが前線に残るため、2人の連携が減ったような気もします。

バルサはなんとかしてエスパニョールの5枚のDFラインを1枚ずつ剥がしたいところなのですが、ここで僕が気になったのはセメドのポジショニング。

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内側に立つセメド

この試合に限らずですが、バルサのボール保持時、セメドは内寄りにポジションを取る傾向があります。これが僕の中ではあまり納得感がなくて。恐らく内側のメッシやラキティッチと密接に関わりたいからこそのポジショニングだと思いますが、セメドが内側でプレーする分、相手の左WB(SB)はCBに近い距離で守ることができます。

セメドがもう少し外に立てば、自ずと対面の選手の意識は外側へ向きます。サイドにべったり付くとまでは行かずとも、目線さえ向けさせれば、CB-SB間のスペースはより使いやすくなるのではないでしょうか。

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イメージはこんな感じ

この画像ではWGが外に開いてインテリオールがチャンネルを突いている図ですが、原理は同じです。特に今のバルサのシステムにおいて、サイドプレーヤーはSBのみ。セメドがもう少しサイドのレーンで脅威になれればチームの攻撃の幅も広がりそうなのですが。ペナ角を取るランニングのタイミングはメッシと合ってきているので、プレーの幅がこれから広がると良いのですが。

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ということでボールは保持するものの、相手の守備陣を崩すには至らないというセティエンバルサが陥りがちな内容の前半になりました。そしてやはり、カウンターに致命的に弱く、攻めあがったSB裏のスペースを突かれて2度決定機を許しました。これはテア・シュテーゲンの好守とポストに救われましたが、これだけボールを保持していて簡単にチャンスを作らせてしまうのは心配ですね。

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ビジャレアル戦でも露呈した弱点

まあただエスパニョールがかなり頑張った前半でもありましたし、彼らをかなり消耗させることには成功したはずです。ということで後半勝負だぜ!っていう雰囲気だったかもわかりませんね。

 

■後半

後半からバルサはセメドを下げてアンスを投入。セルジ・ロベルトを右SBに回し、4-2-4のような形で得点を狙いにいきます。いや、セティエンも4-2-4やるんかい!って感じでしたね笑。セルジ・ロベルト、アンスを両サイドに配置することでサイドへの意識を強めようという意図でしょうか。

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バルベルデ時代に良く見たやつ

まあ難しいところですね。①展開的にはアンスを使いたい②グリーズマンはわりと調子が良さそう(下げたら家族にまた文句言われるかも笑)③点が欲しい状況でストライカーのスアレスは下げにくい、という判断でこの4-2-4のファイヤーフォーメーションを導入するに至ったのでしょう。

ただ、エスパニョールのカウンターの脅威の中で中盤2人にして大丈夫?っていのは当然疑問としてありますし、アタッカーを増やせば得点の可能性が増える!というわけでもないのがサッカーの難しいところ。こういう時に3バックにしてみるとかも面白いかなとも思いつつ。

ただ、どうなるんだろうを見る前に、一気に試合が動きます。投入されたばかりのアンス・ファティが足の裏を見せて足を削ったとしてイエローカード。と思いきやVAR判定の末、まさかの一発退場に。ちょっと厳しいようにも見えましたが、スローで見ると何でも激しいファウルに見えてしまうのが今のVAR時代ですね。アンス次の試合で見られないのはショック・・!まあでもいいレッスンになったかもしれませんね。

これは厳しくなっちまった・・みたいなセティエンの表情を見て、おい大丈夫かこれって思っていたら、3分後にエスパニョールのロサーノが足裏タックルでこちらもVARで退場処分に。そこはもう少し気をつけてよというエスパニョールのファンの声が聞こえてきそうですが、これで10対10。エスパニョールのアドバンテージは一瞬にして消え失せました。

数的同数になったわけですが、両軍1人ずつ減ったことでシンプルにスペースはより空いてきます。エスパニョールからすると1人当たりがカバーしなければならないスペースが増えるわけですから、これはキツいです。そしてスペースを与えられたバルサの選手たちはやっぱり強いですね。

ロサーノの退場の3分後。グリーズマンがあっさりとチャンネルを突き、メッシにパス。シュートのこぼれ球をスアレスが押し込み、先制点。スアレスはこの試合のキング・オブ・ザ・マッチに選ばれていましたが、このゴールがなかったら評価はどうなっていたのやらという出来だったので、点取れて本当に良かったです。

この後、バルサは追加点を狙いつつ、ボールを回してゲームをコントロールすることを選択。こういう展開で相手にボールを渡さず、ボールを保持することで「守れる」のはバルベルデ時代からの大きな成長ですね。できれば追加点が欲しかったところですが。

試合はこのまま1-0で終了。バルサが勝ち点3を手にするとともに、エスパニョールの2部降格が決定しました。

 

■まとめ

改めて、リーガは厳しいリーグだなと思いました。最下位のチームにここまで苦戦するわけですから、楽なゲームがありませんね。特に前半は本当にヒヤヒヤしました。ビジャレアル戦で可能性を見せた4-3-1-2ですが、やはり相手が守備を固めてきたときにどうやって攻略するのかはシステムが変わっても、変わらない課題ですね。

今日はシュート9本、枠内シュート2本に終わりました。退場が追い風となったわけですが、11対11のままだったら試合は分からなかったと思います。現在は優勝争い中なので内容よりも勝ち点3が優先なのですが、ちょっと今後に向けて不安材料が見えた試合でもありましたね。残り3試合どうなるか。

エスパニョールは降格が決定してしまいましたが、少なくとも今日の前半は降格するようなパフォーマンスではありませんでした。返す返す、前半の決定機を決められなかったこと、ロサーノが退場してしまったことが響きましたね。果たして1年でプリメーラに戻ってこられるでしょうか。

さて、バルサは次節バジャドリードと対戦します。いよいよマドリーが勝ち点を落とすことを切に祈りながらの最終盤戦に突入します。とにかく残り勝ち点9全部奪ったうえで結果を待ちたいですね。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。