Hikotaのバルサ考察ブログ

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【マッチレビュー】19-20 ラ・リーガ第24節 バルセロナ対ヘタフェ

こんにちは!さて、今回はヘタフェとのホームゲームのマッチレビューです。今シーズン3位と絶好調のヘタフェ。ボルダラス監督の元で築き上げた4-4-2は最早完成の域にあります。堅守と速攻を武器にCL出場権を得ようとしている売り出し中のチームです。売り出し中のチームにしてはベテランが多いのも特徴ですね笑。前回の対戦ではアウェイでバルサが勝利しましたが簡単なゲームではありませんでした。

www.footballhikota.com

バルサとしてはたとえ上位対決でも、ホームカンプ・ノウで負けるわけにはいきません。前回のベティス戦ではなんとか逆転勝ちで勝ち点3を得たものの、依然としてチームの台所事情は苦しいまま。特に前線とCBはかなりピンチです。今節はCBに誰が起用されるのか注目が集まります。

www.footballhikota.com

尚、今回も前回のベティス戦と同じく簡易レビューとなります。このところバタバタしてしまっているので、しばらくはこの形が続きそうです。CLやクラシコアトレティコ戦などのビッグマッチはいつもの形に戻したいと思いますが・・。ご了承ください。代わりと言っては何ですが、名もなきクレさんが今回試合の流れを汲んだレビューを書いてくださっているので、こちらも是非。

shinseijohn.hatenablog.com

 

■スタメン

f:id:hikotafootball:20200218003117p:plain

さて、スタメンです。バルサはラングレが出場停止ということでウムティティが左のCBに入ります。右サイドバックは最近レギュラーに定着しつつあるセメドが体調不良で、セルジ・ロベルトが代わりに起用されます。中盤はブスケツ・フレンキー・アルトゥールの3枚が務めます。

アウェイのヘタフェは右サイドバックのダミアン・スアレスが出場停止。代わりに入るのは今シーズンサイドハーフとしても起用されているニョム。その1つ前には冬加入のエテボがチョイスされます。バルサ移籍の噂が囁かれている今季9ゴールのアンヘルはベンチスタートです。

 

■ヘタフェの守備原則

まずはいつも通り、ヘタフェの方から見ていきましょう。まずはバルサの低い位置からのビルドアップに対しては前から積極的にプレスをかけてきます。

f:id:hikotafootball:20200218011816p:plain

ヘタフェのハイプレス

2トップがCF、ボランチの片方がブスケツを見る形です。サイドハーフはSBとインテリオールを状況に応じて見ていました。これは前半戦の時とほとんど変わらないやり方でしたね。

f:id:hikotafootball:20200218012230p:plain

参考 第7節ヘタフェ戦

こうしてバルサのボール保持を前からの守備で制限していました。基本的に後ろは1枚余らせるが原則だったと思いますが、状況によってはCBやSBが前に出てプレスに参加することもありました。後方にはジェネという対人最強フィジカルお化けのCBがいるので、ある程度リスクを冒してもというところでしょうか。

ハイプレスはこのような感じで、それを搔い潜られると当然リトリートするわけですが、シンプルに4-4-2で撤退するのではなく、両サイドハーフが高い位置を取るバルサのSBのケアで最終ラインまで下がる6-2-2のような布陣に。

f:id:hikotafootball:20200218013732p:plain

ヘタフェリトリート時

中盤は薄くなりますが、バルサの攻撃の肝となり得るセルジ・ロベルトとジョルディ・アルバを封じ込めるためにこのような守備タスクをサイドハーフに課したのでしょう。

 

サイドハーフの過負荷が生んだ歪とバルサの高度なビルドアップ

さて、今回は簡易レビューなのでテーマを絞りましょうか。今回のテーマは「ヘタフェの守備の問題点とバルサのビルドアップの進化」にします。僕がこの試合でとても気になったのがヘタフェのサイドハーフの守備タスク。ハイプレス時はインテリオールとSBをダブルマークし、リトリート時には最終ラインまで下がるというなかなかに高度なタスクを与えられました。

まずはハイプレス時から考えてみましょう。テアシュテーゲンがボールを持っていてヘタフェがハイプレスをかけていると仮定しましょう。そして皆さんはヘタフェ右サイドハーフのエテボのポジションにいたとします。右サイドハーフのエテボはアルトゥール(左インテリオール)、アルバ(左SB)の2枚を監視するタスクを担っています。所謂「どっちも潰せる立ち位置」を取りながら。

f:id:hikotafootball:20200218015021p:plain

自分がエテボ(右SH)だと思ってください笑

ここで問題です。あなたがバルサの対戦相手だったとして、ビルドアップの局面でボールを持たせたくないのは、インテリオール(アルトゥール)とSB(アルバorジュニオル)どちらですか?ほとんどの方が前者だと答えるはずです。バルサのSBは非常に優れていますが、ゲームメイク能力に定評があるわけではありませんから。

とすると、エテボがこの局面で優先すべきはアルトゥールへのパスルートを遮断すること。SBはある程度空けておいて、そこにボールが入れば、アルトゥールへのパスコースを消しながら、右SBのニョムと連携してボールを奪いに行く方がベターな気はします。

f:id:hikotafootball:20200218020136p:plain

SBにボールを誘導する的な

しかし、ここで障害になってくるのが両サイドハーフのリトリート時のタスク。サイドバックに深い位置までついていくというタスクのため、どうしても意識がSBに向いてしまいます。これは戦術的な部分でもあり、サイドハーフの選手の心理的な部分でもありますね。

その結果、意外とインテリオールのところが緩くなってしまいがちになったヘタフェの守備。本来強く当たるべきインテリオールの選手に十分なプレッシャーがかからない!なんてことも。テア・シュテーゲンも逃げずに楔のパスを入れます。ということ序盤こそバルサを苦しめたヘタフェですが(もっともこの時間帯に点が入ってればバルサは一気に劣勢でしたが)、徐々にこのような綻びからバルサの攻勢を許すようになります。

さらにリトリート時に6-2-2になることで2ボランチの脇に広大なスペースができるという大きな弱点がありました。バルサの1点目はその空いたスペースにウムティティがドリブルでぺネレイトして生まれた得点でした。正直、ヘタフェのやり方が上手くいったとは思えません。単純な4-4ブロックでは不安だったのでしょうが、ちょっとバルサをリスペクトしすぎた感があります。

f:id:hikotafootball:20200218022409p:plain

有効だった持ち上がり

とヘタフェのほうばかり書いていますが、裏を返すと今のバルサのビルドアップは生半可な対応では止められないということです。少なくともホームでは。バルサは前半の途中からブスケツを最終ラインの真ん中(もしくは左サイド)に落としてビルドアップをスタートさせていました。

ヘタフェのシステムだとブスケツ番はボランチのマクシモビッチかアランバリになるわけですが、流石にボランチが深い位置までプレスにかけると後ろが心もとないですよね。メッシが頻繁に中盤化するので尚更。ということで後方でブスケツ&2CB&テアVSCF2枚(モリ―ナ&マタ)の数的優位を創出することに成功したバルセロナ

ビルドアップの能力に長けたこの4人を2人でケアするのは不可能です。こうしてバルサはビルドアップを揺るぎないものにしたわけです。フル出場したハイメ・マタは終盤足をつらせていましたが、あれだけ走らされたら無理もありませんね。ブスケツのこの試合のパス本数は100本越え。後方にポジションを移したことでプレッシャーを受けづらくなった証拠です。

もっとも、ブスケツのポジションを下げるデメリットもありますが、それはまた別の機会に書きましょう。この試合においては、ヘタフェのプレスを無効化し、攻撃の機会を奪ったという部分でとても有効な一手でした。ヘタフェ目線で考えると、このブスケツのポジションの変化への対応ができなかったのは痛かったですね。なぜか僕は今回ヘタフェ目線で語ることが多くなっております笑。

やはりバルサはセティエンに代わってからビルドアップが劇的に改善しましたね。これは本当に流石の手腕だと言わざるを得ません。僕のバルベルデ時代の一番の不満はビルドアップの局面でしたから、結構満足度は高いです笑。細部に工夫が見られ、例えばゴールキックをCBがGKに下げて開始するなど新たな試みも見られます。

www.footballhikota.com

これからエラーも出るかと思います。結果が出なければ当然叩かれるでしょう。しかし、今セティエンとチームがトライしていることに関しては好意的に見守りたいところですね。

 

■一応流れを・・

もうこれで終わりでもいいのですが、一応レビューというタイトルなので、試合の流れだけ簡単に笑。

先述したように序盤はヘタフェの作戦がハマっている様に見えました。セットプレーでネットを揺らし(VARでノーゴール判定)、スルーパスからマタが抜け出し、ククレジャが決定機を迎えるなどヘタフェの攻勢が目立ちました。さらにアルバの負傷交代というアクシデントも。しかし、前述のサイドハーフの守備タスクによる歪、さらにブスケツの貢献によりジワジワ主導権を握っていったバルサ

ウムティティのドライブが起点となり、メッシのスルーパスグリーズマンが抜け出し1点目。さらに2点目は右のセルジ・ロベルトから左へとパスを繋いでいき(ここでもボランチ脇に広大なスペースが空いており、ここをアルトゥールが使った)、最後はジュニオルのクロスからセルジ・ロベルトが冷静に左足で決め、2点目。ここで前半は終了します。

後半はヘタフェが攻撃的なカードを切り、攻勢を強めます。しかし、ボールポゼッションを続けヘタフェの思い通りにさせないバルサ。の構図かと思いきや右サイドのクロスからアンヘルが技ありボレーを叩き込み1点差に迫りました。このあと、ヘタフェはセットプレーで決定機を作りましたが、テア・シュテーゲンが何とかストップ。バルサの方もグリースマンが2度訪れた決定機を決め切ることができず。試合はこのまま2-1でバルサ勝利。

 

■その他雑感

あまり目立ちはしませんでしたが、アルトゥールは個人的には評価高め。ボールを上手く引き出してくれましたし、オフザボールで裏を狙い、相手のDFラインを押し下げる役割も。もっと前線で仕事をして欲しい選手ではありますね。アルトゥールに限らず、この試合では結構裏を狙う選手が多くて良かったと思います。セティエンから指摘があったんですかね。

アルバの負傷本当に心配です。長いものでないといいのですが。ただ、ジュニオルにアシストがついたのは良かったです。アルバはナポリ戦やクラシコも出場できないのでは?との報道がありました。とりあえずジュニオルの出番は増えそうです。今日みたいに自信を持ってプレーしてくれるといいのですが。

とりあえず勝ててまずは良かったです。ヘタフェの守備の問題点を多めに書きましたが、実際ヘタフェは強敵です。その難敵に高いボール支配率で勝つ。これは口で言うほど簡単なことではありません。いつになったらクリーンシートできるんだとテア・シュテーゲンファンの方は嘆いていらっしゃると思いますが、少なくとも正しい道を歩き始めています。

少しずつ。少しずつです。次はカンプ・ノウでエイバルですね!そのあと、ナポリとの

CLです。さあ、楽しみが増えますよ!フロント?知りません!サッカー楽しみましょう!

www.footballhikota.com

ナポリについてはこちら!

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。