Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【考察】メッシ史上最高の相棒 ルイス・スアレスをどう扱うべきか

こんにちは。CL初戦が終わり、ボチボチ怪我での離脱組も戻ってきましたね。ドルトムント戦でアルバを失いましたが、代わりにデンベレが戻ってきそうです。いよいよ今シーズンの本当の形が見られそうな予感がしますが、皆さんの大きな関心事は前線の構成、特にルイス・スアレスについてではないでしょうか。

怪我明けの前節バレンシア戦で目の覚めるようなゴラッソを2発叩き込み、カンテラーノとフレンキー・デ・ヨング、アルトゥールの躍動に酔いしれるファンに待ったをかけましたが、先日のドルトムント戦では低調なプレーに終始。現在、Twitterではスアレス不要論を唱えるファンが増えているように見受けられます。

ということで今回は、スアレスについて書いていこうと思います。現状のスアレスの立ち位置、また今後どう起用していくべきか書いていくので、是非お付き合いください。

 

◾︎過去5シーズン、バルサの「9番」に君臨

スアレスは2014年夏、補強の目玉として8100万€の移籍金ででリバプールからバルサに加入しました。当時はプレミアNO1ストライカーとして評価の高かったスアレスですが、トラブルメーカーとしても有名でした。パトリス・エブラへの人種差別発言やジョルジョ・キエッリーニへの噛みつきなど。獲得を不安視する声も当時はありました。

しかし、デビュー後瞬く間にフィットすると、メッシ・ネイマールと共に歴史に名を残す3トップを形成。エゴイストの1面も持ち合わせながら、大エースメッシを立たせる意外な柔軟性を見せてこの5シーズン、バルサの不動のストライカーとして君臨してきました。特にリーガではコンスタントに活躍し続け、5シーズンで131ゴール61アシストという記録を打ち立てます。1シーズン当たり平均して26ゴール12アシストですか。素晴らしい記録ですね。

(データはWhoScoredより)

とにかく優れたストライカーです。信じられないようなゴラッソを何発も決められますし、リーガでは勝負どころ(メッシ不在時など)で重要な得点を決め続けています。本当に「無理が利く」CFですよね。

そして、スアレスの立ち位置を確かなものにした要因は単に優れたストライカーであるというだけではありません。重要なのはエースであるリオネル・メッシとピッチ内外で密な関係を築いていることにあるでしょう。ピッチ上ではなんとわずか5シーズンでメッシへ最も多くアシストをした選手になりました。

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スアレスが戦術的に重要なのは彼が「CBを引き付けられるタイプのCF」であるという点です。

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スアレスの重要性

ここ10年のバルサの大きなテーマは「リオネル・メッシの能力を最大限に活かす」ことです。彼に如何に時間とスペースを与えるかが歴代の監督に与えられた至上命題です。右のハーフスペースでボールを受けたがる彼にスペースを与えるためにはCBをメッシ狩りに参加させないことが肝要になります。メッシにはストライカーが必要なのです。

CBと狡猾に駆け引きができ、柔軟に動きを変えることができるスアレスはまさにメッシにスペースを与える上で、まさに打って付け。CBを真ん中のレーンに「ピン留め」することでメッシに自由が与えられます。メッシが自由になればあとは何でも可能になります。そうすることで崩しは簡単に上手く行くのです。

また、ピッチ外でも常に一緒に過ごしている姿が見られますね。チームバスから一緒にマテ茶を飲みながらスタジアム入りする姿は最早お馴染みになりつつあります。確実にスアレスがチームに所属していることはメッシの精神的に大きいものがあるのではないでしょうか。

 

◾︎低すぎる守備貢献度とロストの多さ

しかし、それらのメリットを考慮に入れても、スアレスを使い続けるのは無理があるのではないかとの意見がこの2シーズンほどで多くなったように感じます。その論拠は主に3つ。

  1. CLで活躍できない
  2. 守備貢献が低い
  3. イージーなロストが多すぎる
1、CLで活躍できない

優勝を果たした14-15シーズンこそ8ゴールを挙げたものの、その後の4シーズンは低調そのもの。昨シーズンはわずか1ゴールに留まりました。特に顕著なのがアウェイ戦で、なんと4年間にわたって敵地でゴールを揺らしていません。

あれだけリーグ戦では結果を残し続けているスアレスがなぜCLの舞台では人が変わったように点を取らなくなってしまうのか、正直わかりません笑。色々と考えては見たのですが、いまいちしっくり来ないものばかり。何かアイディアある方、是非コメントにてお願いします!

いずれにせよ近年バルサがCLアウェイで思うように結果を残せていないのはスアレスの不振も関係しているかもしれませんね。もしかすると逆なのかもしれませんが。

2、守備貢献が低い

皆さんも知っての通り、我らがエース、リオネル・メッシユベントスクリスティアーノ・ロナウドと並んで世界で最も守備貢献の低い選手です。「全員攻撃・全員守備」が基本の現代サッカーにおいて、彼らが守備をしなくてもいい理由はたった一つ。それは守備をしないデメリットを補って余りあるメリットをチームにもたらすことができるからです。

そして、スアレスは現在そのメッシと同じくらい守備をしない選手となっています。メッシ1人でもカバーするのが大変なのに、スアレスの分までとなるとバルサの中盤以下の負担は深刻なものになってしまいますよね。特に現代サッカーではGKにも高いビルドアップの技術が求められているわけですから、CBやアンカーの選手に十分なプレッシャーがかかっていなければどうなるかは想像に難くありませんよね。

例えば、全てのバルサファンが思い出したくないであろうリバプール戦。以下この試合のマッチレビューの引用です。

 再三申し上げているようにバルセロナの第1プレッシャーライン(メッシとスアレス)はほとんど機能していません。そのため、リバプールは簡単にボールを運ぶことができます。特に構造的にファビーニョがフリーになりやすいので彼を経由してリバプールは比較的自由にボールを展開してバルサの中盤以下を自陣に押し込めることに成功しました。

これは別にこの試合に限った話ではなく、バルサの戦術的な欠陥になっています。例えばファビーニョを掴まえようとラキティッチが前に出たとしても、両CBに十分なプレッシャーがかかっていない場合は簡単に後ろのスペースを突かれてしまいます。リバプールの両SBが高いポジションを取ったことでよりこの弱点は浮き彫りになりました。この状況ではリトリートするしかほぼ選択肢がありません。SBのポジション取りでこれだけビルドアップは向上するのです。

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リバプール戦では両CB、そしてアンカーのファビーニョに自由を与えすぎていいようにやられてしまいました。前線の3枚によってバルサの4バックは「ピン留め」されているため、中盤では5(中盤3枚+SB2枚)対4の数的不利に。さらにCBもドリブルでボールを運んでくるため、かなり中盤は苦しく後半は本当にタコ殴りにされました笑。

いやいや、ちょっと待ってよ。スアレスは結構守備している姿を見かけるよ。という意見もあるかもしれません。その意見はある意味では正しく、ある意味では真実ではありません。スアレスが守備をする大半の状況は「自分の前方かつボールが奪えそう」な状況にほぼ限定されます。つまり、ボールの位置に合わせて自陣深くに下がったり、相手がクリーンな状況でボールを持っている時に精力的にプレスに行くことはほぼほぼありません。

 これは恐らく年齢によるものが大きいのだと思います。エンリケ時代は今よりは一生懸命に守備に走っていました。しかし膝に慢性的な負傷を抱え、加齢により走力が落ちたことで、より前線から動かない省エネスタイルを採択せざるを得なかったのでしょう。

それは先日のドルトムント戦でも顕著でしたね。例えばこのシーン。

結果的にスアレスがサボったことで中央のヴィツェルにパスが通り、プレスは搔い潜られてしまいました。ヴィツェルには十分な時間が与えられ、左サイドに向けて正確なロングキック。決定機に繋がってしまいそうな危ないシーンでした。もしスアレスがきっちりとタスクをこなしていれば起こらなかったと思います。

このシーンに限らず、今日のスアレスは「アリバイ」守備さえしないほど貢献度は低いものがありました。ケガ明けでコンディションが良くなかったのでしょうが、あのスタンスで試合に臨むのであれば結果を出すしかありません。そして結果が出ないのであれば、批判されてしかるべきです。今日のスアレスは最悪でした。

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別にいいんです、守備をしなくても。それに見合うメリットさえチームにもたらしてくれさえすれば。しかし、特にCLにおいてスアレスは現状マイナスのほうが大きい存在になってしまっているのです。メッシですらその守備貢献の低さに疑問の声が上がるのですから尚更でしょう。

3、イージーなロストが多すぎる

守備貢献と並んで看過できないのはこちらも同じ。数字の上ではそれほど目立つものはありませんが、とにかくイージーなロストが多いのもスアレスの難点の1つです。スーパーなラストパスを繰り出したかと思えば、町クラブの小学生でも通せそうな何でもない横パスを大きくズラして天を仰ぐ。このようなシーンは飽きるほど見てきました笑。

バルサのようにショートパスを綺麗に繋いでいきたいチームにとってはこれは致命的な欠陥ではあります。どうしてもスアレスのところでリズムが狂ってしまう傾向がありますよね。バルサに加入して5シーズンが経過しても未だに雑さが抜けないのは非常に残念な部分です。

例えば、今夏バルサに入団したアントワーヌ・グリーズマンはそのあたりが本当に丁寧な選手ですよね。実際彼がCFに入ったベティス戦やバレンシア戦では華麗な崩しが多く見られました。

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ベティス戦、グリーズマンを絡めた崩し

アルバ→グリーズマンラフィーニャグリーズマン→アルバ→グリーズマンラフィーニャ→アルバと綺麗に動きながら崩し、ゴール前まで一気に持ち込みました。

加入して公式戦2試合目でここまで即興で崩しに絡めるのは流石グリーズマンといったところですね。ストライカーとしての能力は恐らくスアレスのほうが上だと思います(そもそもグリーズマンは純粋なCFじゃないですし)。しかしバルサの今後のサッカーを考えると最前線に必要なのはグリーズマンのようなタイプのほうなのかもしれません。

 

スアレス外しの難点は? 

「それだったらスアレスはベンチ。グリーズマンをトップで使ってメッシとアンスorペレスの3トップにしよう」という意見が今主流なのだと思います。しかし、話はそう簡単ではありません。

バルベルデはこの2シーズン、チーム内のヒエラルキーに対して綿密に気を遣ってきました。特にルイス・エンリケ時代に肥大化しすぎたMS(メッシ・スアレス)の存在をどう扱っていくのか、非常に難しいポイントだったと思います。スアレスの性格的に、簡単にベンチは受け入れないでしょう。「自分は結果を残してきた」という自負はあるでしょうし。

チーム内で影響力があり、かつメッシと公私ともに仲が良いということもあり、スアレスの定位置をベンチにすることでチームに波風が立つ可能性は否定できません。特にメッシへの影響は危惧されるところではあります。

メッシを立てつつ、シーズンで30ゴール近く決められるストライカーはそう多くはいません。グリーズマンもメッシとの相性はまだまだ未知数なところですし、得点力という意味でバルベルデスアレス抜きだと心許ないと考えている可能性は大いにあります。

今言っても仕方ありませんが、本当にスアレスを外したければ今夏放出すべきでした。いない選手を使うことはできませんから。ヒエラルキーも何もありませんよね笑。まあ正直買い手がつかないとは思いますが…。

 

◾︎メッシゼロトップ回帰へ

しかし、このような状況になってしまった今、いつかはスアレスを外す決断をバルベルデは下さなければならないと思います。少なくとも昨シーズンと同じようにメッシとスアレスの前残りを続けるのは流石にチームとして無理があります。

特にベティス戦やバレンシア戦で躍動するアルトゥールやフレンキーの中盤や、ペレス・アンスのカンテラーノ組の台頭などを見ていると否応無しにそのように考えてしまいますよね。もうMSNの遺産に頼るべきではないのだと思います。

スアレスを外すとなると、考えられるのはグリーズマンCF、もしくはメッシのファルソ・ヌエベ(偽9番)回帰でしょうか。メッシの守備負担という観点からすると、スタートの位置はメッシ真ん中、グリーズマンワイドの方が好ましいでしょうか。

以前、メッシのファルソ・ヌエベについての記事を書いたのでそちらから引用します。

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上図をご覧ください。相手は4-4-2で想定します。ボール保持時、メッシはストライカーの位置ではなく、中盤に下がります。メッシが下がることで中盤に3対2の数的優位が生まれます。当然相手からすればメッシを中央でフリーにさせるわけにはいきませんからCBが捕まえに行きます。そうするとそのCB(図では左CB)が元々いたスペースが空きます。そこに右ウイングのデンベレが完璧なタイミングで走りこむ!というのがゼロトップの理想的な崩し方です。つまりゼロトップを機能させるにはウイングのオフ・ザ・ボールの質の高さが不可欠なのです。現状、コウチーニョデンベレにはその要素が欠けていますので、そこの動きの改善は必要になってくるでしょう。ウイングが止まってボールを受けすぎると、途端にこのシステムは機能性を失います。

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こちらわずか5ヶ月前の記事ですが、当時はウイングをコウチーニョデンベレで想定していたんですね笑。懐かしいと思ってしまうくらい時の流れが早くて驚きです。

そして今、メッシのファルソ・ヌエベを全面的に推せる理由は先述したアルトゥール、フレンキー、ペレス、アンス、そしてグリーズマンらの存在にあります。メッシが中盤に下がりフレンキーとアルトゥール、さらにはブスケツと共鳴し、中盤を支配。メッシが作ったギャップにペレスやグリーズマン、アンスが飛び出していく。考えただけでヨダレが出てしまいますね笑。

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勿論、ここまで簡単に上手くいくとは思いませんが、このような形にすれば、バルサの原点回帰にはかなり近づくのではないでしょうか。

またボール非保持時にはメッシだけを前線に残し、ウイングも積極的に守備に参加してもらいましょう。そうすればバランスは限りなく是正されるはずです。

 

◾︎最後に

僕らファンは勝手なもので、簡単に「スアレスを外せ」だとか「守備をさせろ」だとか言ってしまいますが、実際の現場で起こっていることはそう単純化できるものではないのだと思います。特にバルベルデはフロントに対して力の弱い監督ですし、制約やしがらみは相当多いはずです。スアレスをこの先外さなかったとしてもバルベルデの事情は理解できます。

しかし、それでも。それでもバルベルデが決断をしてくれることを僕は望みます。今シーズンは大きな変化のシーズンになると思っていて、恐らく今後のバルサを左右する1年になるかと思います。バルベルデにチームの将来を展望する義務などありませんが、フロントにその力がない以上、誰かがその責務を担う必要があります。

誠に勝手な一ファンの望みですが、チームの将来のためにバルベルデには決断を下して欲しいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。