Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】FCバルセロナ18-19シーズン総括

6/1にCL決勝が終わり、欧州のシーズンは終わりを迎えました。ここからコパアメリカという楽しそうなイベントはあるものの、ひとまずレギュラーシーズンは終了したということで、バルサの今シーズンをざっくり総括していきたいと思います。

 

▪️苦境を乗り越えた前半戦

評価するのが非常に難しいシーズン、と形容せざるを得なかったのがバルサの18-19シーズンでした。リーガのみのタイトルでしたが、シーズンの90%は上手く事が運んでいました。結局あのリバプール戦のセカンドレグが全てを壊してしまった格好ですね。最高のシーズンになるはずが、1試合にして失敗の烙印を押される結果となってしまいました。

振り返ってみると今シーズンのバルサの滑り出しは決して順調なものではありませんでした。昨シーズンの4-4-2から原点回帰の4-3-3へ。そしてそれに伴い、メッシ・スアレスデンベレコウチーニョの同時起用を試みました。しかしコウチーニョの不適応、ベンチで不貞腐れる31歳ビダル、遅刻を繰り返す大器デンベレ、大黒柱メッシの負傷、レギュラーCBのユムティティの長期離脱など特に前半戦は問題が尽きませんでしたね。

しかし、チームはそれらの諸問題で大きく崩れることはなく、着実に勝ち星を積み重ねてきました。マドリードの2チームが躓いたこともあり、リーガでは首位を守り続け、インテルPSV、そしてトットナムと同居したCLのグループリーグでは首位通過を果たすなどピッチ内外でのドタバタにも動じず、結果を残しました。

ここまでチームが安定していた要因は2つだと考えています。1つはバルベルデのチームマネジメント。デンベレの遅刻やビダルSNSでの不満吐露に対しても寛大な対応を見せ、あくまでチーム内でのこととしてロッカールームでの解決を試みました。ローテーションは相変わらず少な目でしたが、今シーズンはトライする機会は多かったように思えます。バルサのようなスター集団のチームであれば、不平不満がこぼれてもおかしくありませんが、バルサ関連のニュースを漁ってもそれらしい記事を目にすることは本当に稀です。

そしてもう1つは昨夏の補強が大当たりしたこと。ラングレ・ビダル・アルトゥールは今シーズンチームの大きな戦力として活躍してくれました。彼らがいなければ今シーズンどうなっていたことやら・・。この補強には素直にフロントを褒めたいなと。またマルコムも出場機会は限定的だったものの、コパクラシコやCLインテル戦でゴールを決めるなどインパクトを残しました。

振り返ってみるとストーリー的には完璧だったんですよね。チームが様々な苦難に直面し、それを新加入選手の適応や、控え選手の活躍で埋めながら結果を出していく。そうして段々と調子を上げて、昨シーズンのリベンジを果たし4季ぶりのCL制覇を果たす。良くできたプロットだったわけですが・・。

 

■やっぱり限界の在った4-3-3

さて、戦術的な部分も少し触れておきましょうか。先述した通り、今シーズンは4-3-3に再チャレンジしたバルサですが、最終的には4-4-2に近い形に収まりました。結局は4-4-2が現チームのスカッドにはマッチしているということでしょう。

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シーズン当初はこんな形を志向

シーズンのはじめはこんな形を採用していました。ただ4-3-3というのはあくまで目安のフォーメーションに過ぎず、実際は攻撃時には3-4-3(ブスケツの位置によっては2-5-3)、守備時には4-4-2になる可変システムになるのが今シーズンのバルサの特徴でした。

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守備時4-4-2

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攻撃時3-4-3

上の図くらいのイメージを持っていただくと分かりやすいかなと思います。まずこの図をパッと見たときに圧倒的にコウチーニョのここじゃない感が目立つわけですが笑。昨シーズンもそうでしたが、今シーズンのバルサの守備の特徴としてはリトリートが非常に多かったように思われます。リトリートを好んで選択しているのではなく、メッシ&スアレスがプレッシャーをかけられないので前線からのプレスがレパートリーにないので仕方なくです。

今シーズンピケ&ラングレコンビがある程度成果を収めたのはこの戦術に依るところが実は大きかったりするんじゃないかなと個人的には考えています。対人守備はさほど強さを見せない二人ですが、空中戦は非常に強いですからね。2人のクロスやロングボールに対するポジショニングは特筆すべきものがありました。彼等にとっては弱点を覆い隠し、ストロングポイントを発揮する格好の戦術だったというわけです。

で、先ほども述べましたが、コウチーニョバルベルデバルサのインテリオールは合っていないよねってことで、バルベルデは彼の中盤起用を早々に諦めてアタッカーの1枚として起用します。この時期うまい具合にデンベレが問題を起こしてベンチスタートも多くなりました笑。で、代わりに起用されたのが新星アルトゥール。デンベレコウチーニョコウチーニョ→アルトゥールという変更によりチームはバランスと安定感を取り戻します。

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ただ、それでもまだ強豪相手には心もとないよねということで最後に選ばれたピースがビダルだったわけです。ボール捌きは平凡ながらも対人にめっぽう強い、タックルとインターセプトの鬼を入れることで中盤の守備力は劇的に上がります。驚きだったのはリーガ前半戦のアトレティコ戦。バルサはこのようなフォーメーションで試合に挑みます。

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どっちがアトレティコだ!っとつっこみたくなるようなクアトロピボーテの採用。後半戦のベティス戦でも同じようなメンバーを採用していました。ポゼッションはある程度放棄し、メッシの個を活かしたカウンターとトランジションを優先事項に置いたこの戦術は、些かショックを覚えるものではありました。

しかし、もし自分が監督であり、現スカッドをフロントから与えられたと考えると、このような決断も理解できないものではありません。マルコムの獲得でも分かるように、編成面でバルベルデに権限が与えられていないのは明白です。バルサらしいサッカーでは決してありませんが、現実に即したサッカーではあるかと思います。

そのため、今シーズンは所謂「塩試合」がとても多かったですね。個人的には戦術面では結構観ていて面白い部分もあるのですが、やはり楽しいサッカーではないですよね。それでも勝ち続けていれば評価されるところですが、CL敗退が全てを狂わせてしまいました。あのサッカーで結果が出なければ非難されるのも無理はありません。

 

▪️リバプール

後半戦、いや今シーズンの評価は全てこの試合に集約されるでしょう。あのアンフィールドでの一戦でバルベルデバルサはこれまで積み上げてきたものを粉々に砕かれてしまいました。シーズン当初の4-3-3から4-4-2、そしてビダル入りの4-4-2でバランスが良くなったはずのバルサはアウェイで0-4の大敗北を喫しました。

この敗北は最早現代サッカーにおいてメッシシステムという異質な戦術は通用しないことを端的に示しました。メッシ・スアレスを前線に残し、8人で守れるほどリバプールは、そしてCLは甘くありませんでした。そしてそのような状況になった時に、バルベルデに打つ手は残されていませんでした。あの試合に関してはバルベルデも批判を受けるべきですね。

バルベルデの続投が濃厚になった今、バルサが来シーズンに向けてトライすべきは「普通」のチームに戻していく作業です。例え、メッシが与える恩恵が少なくなったとしても、スアレス&メッシの2トップはもう限界でしょう。メッシが引退するまでメッシ中心のシステムは決して変わることはありませんから依存度を下げていく努力をここからしていくのだと思います。

ただ、それでも今シーズン獲ったリーガのタイトルは消えることはありません。軽視されがちですが、短期決戦のCLよりも1年を通して戦うリーグ戦の方が負荷はかかりやすいので、連覇はもう少し評価されて然るべしかなとは思います。

 

▪️未来への投資

今シーズン最終的にはネガティブなものになってしまいましたが、何人かの若い選手の躍動を見ることができました。怪我での離脱が多かったものの、2年目のウスマン・デンベレが見せた煌きはメッシ後のバルサに僅かながら期待を持たせるようなものでした。「ネクストシャビ」と称されるアルトゥールは中盤の一角としてレギュラーを張りました。クレマン・ラングレの安定感は今シーズンのバルサにとって大きなサプライズでありました。

カンテラーノではありませんが、彼らのような若い選手が今後チームの中心になっていくのが楽しみになるようなパフォーマンスでしたね。また期待のカルレス・アレニャもトップ昇格を果たして、バルベルデから一定の信頼を得ることに成功しました。個人的には来夏に大刷新が来ると予想しているので、是非これらの選手には来シーズン主力を奪うような活躍を期待したいところです。

 

▪️コウチーニョの不調と相変わらずのメッシ

やっぱりどう考えても、彼の不調は痛かったです。デンベレが負傷がちだっただけに尚更。メッシ、スアレスが厳しいマークに遭う以上、第3のアタッカーとして違いを生み出し、結果を残すことが求められましたが…。この後、コウチーニョの記事出そうと思っていますが、史上最高額で獲得した選手ということを考えると、今シーズンは期待はずれと言う他ありません。

そして不調という言葉と程遠いのはやはりメッシ。今シーズンも異次元の活躍を見せてくれました。以前のようにハーフェーラインから何人も抜き去るようなフィジカル的強度はもうありませんが、その分戦術眼が研ぎ澄まされたように感じます。自分が何をすべきなのか今は心得ており、より効果的な仕掛けが増えましたね。

今シーズンもメッシのプレーを見ることは最大の喜びでもあり、そして最大のジレンマでもありました。来シーズン、どうするでしょうか。

 

▪️ブログを始めてみて

個人的には今シーズン、ブログを始めたということもあり、メモリアルなシーズンとなりました。3月丸々サボったりもしましたが、ここまで続けてこれたのは読んでくれる方がいて、Twitterやブログのコメントでお褒めの言葉を頂いたり、いいねやリツイートをしてくださる方がいるからだと痛感しております。本当にいつもありがとうございます。

ブログを始めてみて色々良かったなと思うことはあるのですが、1番は色んな方に読んで頂いて、それについて議論できることだなって思っています。是非是非、感想意見反論などお待ちしております。

まだまだ拙く、未熟なブログですが、これからも精一杯更新していきますので是非ご愛顧ください。シーズンオフも更新したいと思っていますので、何かリクエスト等々あれば是非よろしくお願いします。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。