Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【考察】苦境に陥る天才。コウチーニョが中盤で起用されない理由とは? 前編

 今日はコウチーニョについて書いていこうと思います。

◎苦しむコウチーニョ。その原因を探る

 コウチーニョが苦しんでいます。昨シーズンの冬、彼はバルセロナのクラブ史上最高額でリバプールから加入します。バルサは夏にもオファーを出していましたから相当欲しい人材だったのでしょう。登録ルールの関係でCLにも出場できないことも分かっていましたが、それでもクラブは冬の加入を望みました。コウチーニョは加入するとすぐに試合に出場し、18試合で8ゴール5アシストと悪くない結果を残してバルサのリーガ優勝に貢献します。さらなる飛躍が期待された今シーズンは序盤からインサイドハーフや左ウイングでレギュラーとして活躍します。特にメッシ離脱中のクラシコでは先制点を奪うなど、絶対的エース不在時に攻撃を引っ張ってくれました。しかし、11月のインターナショナルウィークで負傷をしてしまうと、そこから別人のようになってチームに戻ってきたコウチーニョ。特に12月から1月にかけてのリーガで4試合連続先発落ちを経験するなど、完全なるスランプに陥ってしまいました。最近はセビージャとのコパデルレイ準々決勝で2ゴールをあげるなど復調の兆しが出て来たかに思われましたが、それでもまだ彼本来のパフォーマンスからは程遠いものですね。コウチーニョに何が起きているのでしょうか?

 

コウチーニョは本当に必要な人材だったのか?

 コウチーニョの問題点を探る前に、ひとつだけ。バルサは巨額の資金を投じてコウチーニョを獲得しましたが、僕は獲得当初からこの取引に疑問を抱いていました。「クラブは一体何のためにコウチーニョを獲得するのだろうか?」と。誤解を避けるために言えば、コウチーニョは大好きな選手です。圧倒的な技術を誇り、高水準のドリブル、パス、動き出しでチャンスを量産できる選手で、中でも極めつけは左45度からの強烈なミドルシュートです。あのシュートはバルサに今までない武器でした。リバプールでもブラジル代表でも中心選手として君臨している(た)だけに実力に疑いの余地はありません。しかし、僕にはどうしても当時のチームが必要としているタイプだとは思えませんでした。その理由は記事を読み進めてもらえれば分かるかと思います。今ではすっかりコウチーニョに愛着が湧いてしまったのですが、それでもフロントの判断には疑問が残ります。本記事ではコウチーニョバルサで生き残るために必要なこと、についても記述していきたいと思っていますので、是非皆さんも考えてみてください。

 

コウチーニョの問題は単にメンタル?

 前置きが長くなりましたが、本題に入っていきましょう。多くの人がコウチーニョの不振の原因は?と問われたら、メンタルと回答するかと思います。先述した通り、コウチーニョは11月に負傷しましたが、その時期に左ウイングのライバルであるデンベレがメキメキとチームで存在感を増してしまいました。今シーズン、度重なる規律違反で、序盤はベンチを温める機会の多かったデンベレですが、バルベルデとチームの温かいサポートにより、次第に組織の中で自分を活かす術を体得しつつあります。今まで才能はピカイチだったものの、チームの中で色んな意味で「異物」だったデンベレが順応し始めているという事実は、コウチーニョが焦りを感じるには十分すぎることだったでしょう。怪我から復帰してきたコウチーニョは見るからに自信がなさそうにプレーをしています。彼は6節以降中盤では起用されていません。メッシとスアレスアンタッチャブルな前線で試合に出るには、デンベレとのポジション争いに勝利するしかありません。デンベレに負けないように何かを証明したい。そのような強迫観念に駆られているかのように、足元でボールを受けてはボールをこねくり回し、仕掛け、奪われてさらに自信を無くす悪循環。観てるこちらも辛くなるほど悲壮感を顔に浮かべながらプレーしています。メンタルの問題は大きな要因の一つです。

 

コウチーニョの適正ポジションはどこ?

 原因はメンタル。コウチーニョが復活するにはメンタル面の充実が不可欠です!で終わってもいいんですが、それだとあまりに味気ない記事で終わってしまいますね。せっかくなので戦術面からも色々と検証していきたいと思います。今シーズンのバルサの基本フォーメーションは4-3-3です。コウチーニョが4-3-3で担うのは主に左のウイングもしくは左インテリオールです。コウチーニョの最大の武器である右足の「コウチーニョ砲」を活かすにはやはり左サイドが適正ですね。右はメッシがいますし。先ほども述べたように、コウチーニョが左ウイングで試合に出るためにはデンベレとの競争に勝つ必要があります。デンベレも昨日のビルバオ戦で戦線復帰したばかりですので、コンディションが落ちている可能性は十分にありますが、離脱前のデンベレのパフォーマンスは異次元でした。あのパフォーマンスと比較すると少なくとも現状のコウチーニョが競り勝つのは厳しいと言わざるを得ません。それを理解しているTwitter上のクレの皆さんは盛んにコウチーニョのインテリオール起用を提唱していますね。前線が厳しいのなら中盤で使えばいいのではないか。確かに理にかなった意見ですが、コウチーニョの中盤起用は果たして機能するのでしょうか。

 

◎第2節バジャドリー戦を振り返る

 今回、コウチーニョが左のインテリオールで起用された第2節アウェイバジャドリー戦を基にコウチーニョの中盤起用について議論を進めていきたいと思います。約半年前の試合ですが、芝が酷すぎてなかなか攻撃が上手くいかなかった試合と言えば、思い出すバルサファンもいるかと思います。

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こちらが第2節のスタメンです。シーズン開幕当初ベストメンバーと言われていたイレブンですね。DFラインは昨シーズンのスタメンそのままで、アンカーにブスケツが入り、インテリオールにラキティッチコウチーニョが入ります。3トップ+コウチーニョの攻撃的布陣ですね。さて、この試合から読み取れることは一体何だったのでしょう。

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こちらがバルサボール保持時の陣形です。分かりやすい見た目を重視しましたので、実際の試合が必ずしもこの形になるとは限りません。ご了承ください。青がバルセロナ、白がバジャドリーです。バジャドリーバルサに対して中央密集型の4-3-1-2で挑んできました。中盤中央に4人を配置することでバルサの肝である中盤をおさえようという意図ですね。一方のバルセロナサイドバックに高い位置を取らせウイングがインサイドに入ります。これがバルベルデサッカーの大きな特徴ですね。ウイングは外ではなく、中。簡単にではありますが、ピッチ上に4本の縦線を引いておきました。これは「5レーン理論」と呼ばれるピッチを5分割してサッカーを捉えようとする新概念によるものです。あのグアルディオラバイエルン時代に、ドイツ人選手たちに自分のサッカーを分かりやすく伝えるために、練習場のピッチに4本線を引いたことからこの理論は欧州で一般化しました。最近は日本でもよく「5レーン理論」だとか「ハーフスペース」とかよく聞くようになりましたよね。もう少し「5レーン理論」について掘り下げたいところですが、趣旨がズレてしまうのでまたの機会に。5レーン理論について詳しく勉強したい!という方は雑誌『footballista』を読むことをお勧めします。非常に素晴らしい雑誌です。

 

バルベルデバルサにおける各ポジションの役割

さて、話を戻しましょう。バルベルデのサッカーにおいて、「5レーン理論」で言うところのサイドのレーンを担当するのはSBで、ウイングは「ハーフスペース」と呼ばれる中央とサイドのレーンの間のスペースに入り込みます。バルサの攻撃の至上命題はこの「ハーフスペース」の高い位置でメッシ(もしくはデンベレ)に良い形でボールを渡すことです(上図で赤のサークルで囲ってあるスペースです)。そうすれば、あとは彼が何とかしてくれます。では、インテリオールはどこに位置しているかというと、ウイングの後方ですね。バルベルデのサッカーにおいてはインテリオールはまずバランスを整えることを求められていると思います。このバジャドリー戦ではコウチーニョが左インテリオールに入りましたが、彼にこのタスクは不向きと言えるでしょう。なぜなら彼は攻撃志向の強い選手であり、彼もまた高い位置での「ハーフスペース」を利用したい選手だからです。しかしそのスペースにはデンベレが入っており、コウチーニョがそこを使おうとすれば渋滞が起こってしまいます。コウチーニョはこの試合悪くなかったと思います。ですがそれはバジャドリーが深めのラインを敷いてきたため、必然的にチーム全体が高い位置でプレーできていたことに要因がありました。比較的低めの位置でボールを捌きながら全体のバランスを整えるのであれば、アルトゥール(もしくはビダル)のほうが適任じゃね?ってことになりますよね。こうしてコウチーニョの主戦場は中盤から左ウイングに上がっていきました。

 

はい、ということでバルベルデの記事同様、またしても長くなってしまいました笑。続きは後編に回したいと思います。後編では、コウチーニョインサイドハーフで起用する際の守備面のこと、コウチーニョのパーソナリティ、さらにはコウチーニョバルサで生き残るために必要なことを中心に議論を進めたいと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。